MENU

ハンドメイドが売れないのは作品のせいじゃない。原因は「仕組み」です!

要約

ハンドメイドが売れない原因は、本当に作品の問題なのでしょうか。
SNS更新やデザイン改善を続けても結果が変わらない背景には、多くの作家に共通する「ある見落とし」があります。

それは、「購入までの流れ」が途中で止まっていることです。

人は

見つける → 信じる → 買う

という流れで行動しますが、このどこかで止まると購入には至りません。

本記事では顧客体験研究やカスタマージャーニーの考え方をもとに、ハンドメイド販売で成果を左右する「購入までの仕組み」と、その分断が起きる理由について解説します。

読了時間:約5分(ハム先生パート:約1分)

このシリーズは順番に読む前提で作っています(全10話)
▶ 初めての方は 第1話から読む
▶ 全体を把握したい方は シリーズ一覧はこちら
ハム先生

これは「売れない理由」シリーズの第2話ハム

なお

最初から読みたい人は第1話から見てね

目次

第2話

ハム先生

なお

やっぱり、売れないのは作品のせいなのかな?

ハム先生

その質問、ほとんどのハンドメイド作家が一度は通るハム。

なお

インスタ更新もしてるし、デザインも考えてるし、値段も下げたりしてるんだけど、あんまり売れない。

なお

だから、もう私のセンスの問題なのかな~って思うんだよ~・・・

ハム先生

その気持ちは、すごく自然ハム。

ハム先生

でもね、売れない原因は作品じゃないハム。

なお

本当ですか・・・?

たっくん

いやいや、ふつうは作品でしょ?
欲しくないものは売れないと思うよ。

なお

・・・。

なお

・・・

ハム先生

飼い主(なお)・・・。

ハム先生

たしかに極端に言えば、そういう場合もあるハム。
でも、多くの作家が止まっている場所は、そこじゃないハム。

なお

じゃあ・・・何が原因なの・・・?

ハム先生

原因はひとつ!
仕組みが無いことハム!

たっくん

ハムスターのくせに、また難しいこと言ってる。

なお

しくみ・・・?

たっくん

絶対、分かってない・・・。

なお

・・・。

ハム先生

大丈夫、すごくシンプルな話ハム。

ハム先生

たとえば、お客さんが作品を買うまでって、どんな流れだと思うハム?

なお

えっと・・・SNSで見つけて、気になって、ショップに行って、買う…?

ハム先生

その通りハム。つまり
見つける 信じる買う
この流れが必要ハム。

たっくん

ま、ビジネスでは当たり前の流れだよね。

ハム先生

でも、売れない状態の多くはこの流れが途中で切れてるハム。

なお

切れてる・・・?

ハム先生

ここで一度考えてほしいハム。

お客さんが

あなたを見つけて
気になって
ちゃんと理解して
安心して買える状態になっているか

この流れ、途中で止まっるハム

なお

あ~?・・・?

たっくん

たしかに、途中でよく分からなくなったら普通にやめるよね。

ハム先生

そうハム。
SNSはある→でも信頼できる情報が少ない。
ショップはある→でも安心して買える説明がない。
だから、最後まで進めないハム。

なお

ん~・・・・・

たっくん

作品が良くても、よく分からないモノはいきなり買わないか。

なお

よくわからない・・・もの・・・

なお

・・・。

ハム先生

飼い主・・・。

ハム先生

まぁ~チョロ、お客さんは優しくないハム。
でも冷たいわけでもないハム。

ただ、分かりにくいと買わないだけハム。

なお

じゃあ・・・デザインや宣伝をがんばっている私はいったい・・・?

ハム先生

もちろん大事ハム。
でも順番があるハム。

先に整えるのは作品じゃなくて、仕組みハム。

なお

しくみ・・・?

たっくん

ぜったい分かってない・・・。

たっくん

じゃあ、ふつうの作品でも仕組みがあれば売れるってこと?

ハム先生

売れる可能性は上がるハム。
少なくとも、「届かないまま終わる」ことは減るハム。

なお

ま、作品を買いたいと思ってくれる人に届くなら希望はあるけど・・・

ハム先生

希望というより、これは構造の話ハム。

才能の話じゃない。
センスの話でもない。


設計の話ハム。

なお

こうぞう・・・せっけい・・・?

たっくん

もったいぶってないで、その仕組みって具体的には何なんだ?

ハム先生

いいところに来たハムね。

もし今、

SNSからショップに行く理由が弱い
プロフィールや説明を読まなくても困らない状態
購入までに「考えるポイント」が多い

このどれかがあるなら、流れは途中で止まっている可能性が高いハム。

なお

うぅ~・・・

たっくん

そりゃ売れないか・・・

なお

・・・。

ハム先生

でも逆に言えば、ここを整えるだけで流れはつながるハム。

今回のまとめ

・多くの作家は「もっと良い作品を作れば売れる」と考えてしまう
・しかし売れない原因は作品そのものではないことが多い
・問題は「購入までの流れ」が途中で切れていること
・SNSはあるが信頼情報が少ない
・ショップはあるが安心して買える説明が弱い

作品が悪いのではなく、購入までの流れが途切れているだけ。

この状態のままでは、どれだけ改善を重ねても結果は変わりません。

次回予告
なお

仕組みって言われても、今の私は何がダメなの?

ハム先生

多くの人が最初に頼る場所があるハム。

なお

・・・インスタ?

ハム先生

そうハム。
でも、その使い方を間違えると、「頑張るほど売れない状態」に入りやすいハム。

なお

うっ・・・。

ハム先生

次回は、
多くの人がハマる「間違ったSNS運用」と、疲弊する前に知るべき正しい使い方を解体するハム。

補足:なぜ「作品より仕組み」が先なのか
― 顧客体験研究から見るハンドメイド販売の構造 ―

ここからは少しだけ理論の話になりますが、「なぜ頑張っても売れないのか」を正しく理解するために重要な部分です。

ハンドメイド販売で誤解されやすい「売れない原因」

ハンドメイド販売において成果の差が生まれる要因を考えるとき、多くの場合は作品の完成度や価格設定に注目が集まります。

しかし、マーケティング研究では、購買結果を左右する主要因として個々の品質よりも購買プロセス全体の設計が重視されています。

カスタマージャーニー研究が示す「購買体験の構造」

この考え方は、近年のカスタマージャーニー研究によってより明確になりました。

Verhoef, Lemon, Parasuraman らによる顧客体験研究(2009年, Journal of Retailing)では、

顧客体験は単一の接点ではなく、複数の接点の累積によって形成されることが示されています。

特に、接点同士の連続性や整合性が、最終的な購買行動に大きく影響することが指摘されています。

小規模オンライン販売でも同じ現象が起きる

これは小規模オンライン販売にもそのまま当てはまります。

SNS、検索結果、商品ページ、購入手続きといった複数の接点が存在する場合、それぞれが独立して最適化されていても、

接続が不十分であれば購買には至らないという現象が起こります。

オンライン環境の意思決定は「理解できなければ離脱」

さらに、オンライン環境における意思決定の特徴として、利用者は強い動機を持って長時間検討するのではなく、

短時間で比較し、理解できない場合は即座に離脱する傾向があることが、ユーザビリティ研究で繰り返し報告されています。
(Nielsen, 2000年代以降)

ここで一度、自分の販売を当てはめて考えてみてください。

SNSからショップに行く理由が弱い
プロフィールや説明を読まなくても困らない
購入までに考えることが多い

このどれかがある場合、購入までの流れは途中で止まっている可能性が高いです。

離脱を生む本当の原因

この「理解できない=離脱」という特性は、情報量の不足だけでなく、

導線の分断
手順の複雑さ

によっても生じます。

つまり問題の本質は、

作品の魅力が足りないことではなく、
魅力が正しく伝わる前に体験が途切れてしまうこと
にあります。

ハンドメイド販売で最初に整えるべきもの

この視点に立つと、ハンドメイド販売で最初に整えるべき対象は明確になります。

それは作品そのものではなく、認知から購入までを一つにつなぐ体験設計です。

個人販売に必要なのは「最小構造」

重要なのは、大規模な仕組みを作ることではありません。

むしろ個人販売において効果を持つのは、迷いなく次の行動へ進める最小限の連続構造です。

この最小構造が存在するだけで、同じ作品でも結果は大きく変わります。

逆に言えば、多くの作家が長く停滞してしまう理由も、ここに集約されます。

売上を決めるのは「接点の連続性」

ここまでで分かるのは、売上は接点の連続性で決まるということです。

結論:売上は「見つける → 信じる → 買う」で決まる

ここまでの内容をまとめると、

売れない原因は作品の質ではなく構造
購入は複数の接点の連続で成立する
この連続が途切れると、購入には至らない

つまり、問題は「魅力が足りないこと」ではなく、「最後まで進めない構造」にあります。

そして多くの場合、この流れは気づかないうちに途切れています。

見つけてもらっても離脱される
興味を持たれても信頼に繋がらない
信頼されても購入まで進めない

この状態では、どれだけ改善しても結果は変わりません。

では、この流れはどこで崩れているのでしょうか。

ハム先生

次回は、疲弊する前に知るべきSNS運用の正解を、構造の視点から解体するハム。

参考理論・文献

Kotler, Philip & Keller, Kevin Lane(2016)
“Marketing Management (15th ed.)”
Pearson.

消費者の購買プロセス(問題認識→情報探索→評価→購買→購買後行動)を体系化したマーケティングの基本理論。


Verhoef, Peter C., Lemon, Katherine N., Parasuraman, A., Roggeveen, Anne L., Tsiros, Michael, & Schlesinger, Leonard A.(2009)
“Customer Experience Creation: Determinants, Dynamics and Management Strategies”
Journal of Retailing, 85(1), 31–41.

顧客体験は複数接点の累積で形成され、接点の連続性が購買行動に影響することを示した研究。

目次