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minne・Creemaだけでは売れない理由|依存すると止まる構造

要約

ハンドメイドが売れない原因は、作品の質ではなく「販売場所への依存構造」にあることが多いです。

minneやCreemaは便利な販売サイトですが、多くの商品が並ぶ環境では比較や価格競争が起きやすく、作家自身が販売の主導権を持ちにくくなります。

その結果、「出品しているのに売れない状態」に陥りやすくなります。

本記事ではマーケティング研究をもとに、なぜ販売サイトだけでは売れにくいのか、そして安定して売れていくために必要な「自分の拠点」の役割を解説します。

読了時間:約6分(ハム先生パート:約2分)

このシリーズは順番に読む前提で作っています(全10話)
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ハム先生

これは「売れない理由」シリーズの第4話ハム

なお

最初から読みたい人は第1話から見てね

目次

第4話

ハム先生

なお

ちゃんと作品も作ってるし、写真も撮って、
minneやCreemaにも出してるのに全然売れないの。

ハム先生

その悩みはすごく多いハム。

なお

そうだよね・・・。
なんか、頑張っても意味ないのかなって思ってきて。

たっくん

出品してるだけで売れるほど甘くはないよね。

なお

・・・。

ハム先生

飼い主(なお)・・・。

ハム先生

別に普通ハム。

なお

じゃ、どうしたらいいの・・・?

ハム先生

飼い主の努力が足りないわけじゃないハム。

なお

じゃ、何が問題なの?

ハム先生

売る場所の問題ハム。

なお

えっ・・・?

ハム先生

結論から言うハム。
minne・Creemaが悪いわけじゃないハム。
でも、そこしか持ってないと売れにくい構造になりやすいハム。
つまり「依存状態」になりやすいハム。

なお

え??売る場所はあってるよ?

ハム先生

場所は間違ってないハム。
でも、そこしか持ってない、ここが問題ハム。

なお

そこしか・・・?。

ハム先生

minneやCreemaみたいな販売サイトは便利ハム。

でも同時に、

比較され続ける
価格競争になる
表示順位に左右される

つまり、主導権が自分にないハム。

なお

確かに、「選ばれるのを待っている」感じはする。

ハム先生

多くはその感覚だと思うハム。
ただ、売れていく人は途中で必ず自分の拠点を持つハム。

なお

拠点って・・・ネットショップとか?

ハム先生

それも一つハム。
でも、もっとシンプルハム。

・自分を覚えてもらう場所
・世界観が伝わる場所
・比較されない場所

つまり、自分のお店=覚えてもらう場所ハム。

たっくん

なるほどな。
モールの一商品じゃなくて、「店」になるってことか。

ハム先生

その通りハム。
ハンドメイドで安定していく人は、ほとんどの場合、minneやCreemaで売りつつ、自分の拠点も持つ形に変わっていくハム。。

なお

その拠点ってインスタじゃダメなの?

ハム先生

インスタは入口ハム。
自分のお店は、戻ってくる場所ハム。

なお

じゃ、私はインスタで宣伝して、minneに出すところまでしか
考えてなかったってことか・・・。

ハム先生

そこに気づけたのはすごく大きいハム。

なお

で、その「自分の拠点」って具体的に何を作ればいいの?

ハム先生

いい質問ハム。
その前に、多くの人が同じところでつまずいてるハム。
次回は「売れない人に共通する5つのミス」を一緒に見ていくハム。

たっくん

ひっぱるな・・・。

今回のまとめ

・minneやCreemaが悪いわけではないが、そこだけに依存すると売れにくい構造になる
・販売サイトでは比較・価格競争・表示順位の影響を受けやすい
・そのため作家側が販売の主導権を持ちにくい構造になる
・多くの作家は「選ばれるのを待つ状態」になりやすい
・売れていく人は販売サイトに加えて「自分の拠点」を持つようになる
・拠点とは、作家を覚えてもらい世界観が伝わる場所
・SNSは拠点ではなく「見つけてもらう入口」

売れない原因は努力不足ではなく、「販売サイトへの依存構造」にある。

minneやCreemaで売りながら、覚えてもらえる自分の拠点を持つことが重要

次回予告
なお

思ったより、minneだけで何とかしようとしてたかも。

ハム先生

怖いのは、売れている“つもり”になることハム。

なお

じゃあ売れない人って、具体的に何がズレてるの?

ハム先生

次回は「売れない人の共通ミス」を診断するハム。

補足:プラットフォーム依存が売上を不安定にする理由

ハンドメイド販売において、minneやCreemaなどの販売サイトは非常に重要な販売チャネルです。

実際、多くのハンドメイド作家が

・minne
・Creema
・メルカリ

といったプラットフォームから販売を始めます。

しかし「ハンドメイドが売れない」と感じる原因としてよく見られるのが、
プラットフォームだけに依存した販売構造です。

マーケティング研究でも、単一チャネルへの依存は売上の不安定要因になりやすいことが指摘されています
(Neslin et al., 2006)。

プラットフォームは「比較市場」になる

inneやCreemaのようなオンラインモール型サービスでは、多くの商品が同じ画面上に並びます。

つまり販売環境は、常に比較される市場になります。

この状況では、消費者の判断基準は次のような要素に偏りやすくなります。

価格
レビュー
表示順位
写真の印象

つまり、作品そのものの価値だけでなく、検索順位やアルゴリズムが売上に大きく影響します。

このようなオンライン市場の競争構造は、プラットフォーム型EC研究でも広く指摘されています。
(Brynjolfsson et al., 2013)。

その結果、作家側は「選ばれるのを待つ状態」になりやすくなります。

プラットフォームでは主導権を持ちにくい

オンラインモールでは、商品の表示順や露出は

検索アルゴリズム
人気順
レビュー評価

などによって決まります。

つまり販売の主導権は、作家ではなくプラットフォーム側、にあります。

そのため

検索順位が下がる
新しい作家が増える
価格競争が起きる

といった環境変化によって、売上は大きく左右されます。

これはハンドメイド販売に限らず、Amazonや楽天などのECモールでも共通する構造です。

ブランド研究が示す「関係性」の重要性

マーケティング研究では、長期的な売上を生む要因として顧客との関係性、が重視されています。

ブランド価値は、企業が直接作るものではなく、顧客の記憶や経験の中に形成されるとされています
(Keller, 1993)。

また、顧客体験研究では、購買は単一の接触ではなく複数接点の累積体験によって形成されることが示されています
(Verhoef et al., 2009)。

つまり、

SNSで見つける
情報を調べる
作家を知る
安心して購入する

といった流れの中で、顧客との関係性が少しずつ形成されていきます。

個人拠点が果たす役割

この関係性を育てる場所になるのが、個人拠点です。

個人サイトや独自ショップは、単なる販売ページではありません。

そこは

作家の世界観を伝える場所
制作背景を伝える場所
信頼を積み重ねる場所

として機能します。

言い換えると

・minne・Creema=市場
・個人拠点=自分のお店

です。

市場では商品が比較されますが、お店では作家の世界観が伝わります

マルチチャネル戦略が売上を安定させる

流通研究では、複数の販売チャネルを組み合わせる、マルチチャネル戦略、が売上安定に寄与することが知られています。

複数の顧客接点を持つことで、顧客関係を強化し購買機会を増やすことができるとされています
(Neslin et al., 2006)。

また、オンラインとオフラインを含む複数チャネルの組み合わせは、競争優位を生む要因になることも指摘されています
(Brynjolfsson et al., 2013)。

ハンドメイド販売でも同様に、

SNS:認知を広げる入口
プラットフォーム:販売の市場
個人拠点:関係を深める場所

という役割分担が、販売継続性を高めます。

問題は環境ではなく設計

minneやCreemaは、ハンドメイド販売にとって重要な入口です。

しかし、そこだけに依存する構造になると、売上は常に外部要因に左右される状態になります。

問題は、プラットフォームを使っていることではありません。

問題は、その環境の中で販売構造をどう設計しているか、です。

・プラットフォームに依存していないか
・比較市場の中だけで戦っていないか
・自分の拠点を持っているか

ここが、売れ続ける作家と売れない作家の分かれ目になります。

ハム先生

次回は、ハンドメイドが売れない人に共通する「5つの構造ミス」を診断形式で整理するハム。

参考理論・文献

Verhoef, Peter C., Lemon, Katherine N., Parasuraman, A., Roggeveen, Anne L., Tsiros, Michael, & Schlesinger, Leonard A.(2009)
“Customer Experience Creation: Determinants, Dynamics and Management Strategies”
Journal of Retailing, 85(1), 31–41.

顧客体験は単一の接点ではなく、複数の接点の累積によって形成されることを示した研究。接点間の連続性が購買行動に影響することを指摘している。


Neslin, Scott A., Grewal, Dhruv, Leghorn, Robert, Shankar, Venkatesh, Teerling, Jacqueline S., Thomas, Jacquelyn S., & Verhoef, Peter C.(2006)
“Challenges and Opportunities in Multichannel Customer Management”
Journal of Service Research, 9(2), 95–112.

複数チャネルを組み合わせるマルチチャネル戦略が、顧客接点の拡張と関係構築を通じて売上の安定化に寄与することを整理した研究。


Keller, Kevin Lane(1993)
“Conceptualizing, Measuring, and Managing Customer-Based Brand Equity”
Journal of Marketing, 57(1), 1–22.

ブランド価値は企業側ではなく、顧客の記憶や経験の中に形成されるとする「顧客ベースブランドエクイティ」理論を提示した研究。


Brynjolfsson, Erik, Hu, Yu (Jeffrey), & Rahman, Mohammad S.(2013)
“Competing in the Age of Omnichannel Retailing”
MIT Sloan Management Review, 54(4), 23–29.

複数チャネルを組み合わせるオムニチャネル戦略が、競争優位と売上安定化に寄与することを示した研究。

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