ハンドメイドが売れないと、「値段が高いのかも」と考えてしまう人は多いです。
・売れないから値下げする
・周りより安く設定する
・なんとなく感覚で決めている
しかし、その値付けの多くは「売れない原因」ではなく、「損している原因」になっています。
本記事では、なぜ価格で失敗するのかを構造から整理し、「売れる価格」の考え方を解説します。
読了時間:約5分(ハム先生パート:約1分)
ハム先生これは「売れない理由」シリーズの第8話ハム



最初から読みたい人は第1話から見てね


第8話
ハム先生



ねえ、売れないから値段下げたんだけど、全然変わらないんだけど・・・。



それ、かなり危ない状態ハム。



え、なんで?
安くしたら売れるんじゃないの?



安いだけで売れるなら、簡単だよね。



・・・。



その考えが一番よくあるミスハム。



ミス・・・はい?



まず確認するハム。
今の価格、どうやって決めたハム?



材料費と、なんとなくこのくらいかなって・・・。
あと、他の人の値段見て合わせました。



それ、ほぼ確実にズレてるハム。



はい?



相場は参考にはなるけど、基準にはならないハム。



・・・??



わかってない・・・。



ま~チョロ、値段は、「売れるかどうか」で決めるものじゃないハム。



はい?



・・・。



また、いらつかせてる・・・。



・・・。じゃあ、何で決めるの?



「価値の伝わり方」で決まるハム。



・・・。



ハムスターと喧嘩するなよ・・・。



分かりにくいんだもん・・・。



分かったハム。
たとえばハム。
同じアクセサリーでも
・誰が作ってるか
・どんな意味があるか
・どんなストーリーか
・どんな場面で使うか
これが違うと、値段は全然変わるハム。



あ~



たしかにブランド物とかそうだよね。



いや、それって有名だからでしょ?



逆ハム。
有名だから高いんじゃなくて、
高いから価値があると思われることもあるハム。



・・・?



人間は「分からないものは安い方を選ぶ」んじゃなくて、「理解できるものを選ぶ」ハム。



・・・。



だから、
安いけどよく分からないものより、
高くても意味が分かるもの
が選ばれるハム。



あ~・・・。



でも私は、そんなにすごいものは作ってないんだよね・・・。



そこもズレてるハム。



えっ?



値段は「すごさ」で決まるんじゃないハム。



じゃあ何で決まるの?



「納得できるか」で決まるハム。



・・・?



つまり
・誰向けか
・どう使うのか
・なぜその価格なのか
これが説明できない状態で値段だけ下げても、意味がないハム。



・・・??



ま、値段下げて売れるならみんな苦労してないよね。



・・・。



・・・。



飼い主・・・。



じゃあどうすればいいの?



すごくシンプルハム。
価格は「単体」で決めない。
構造の中で決めるハム。



こうぞう・・・何だっけ?



前話してたよね?



覚えてないハム・・・。
ま~チョロ、
・見つける
・信じる
・買う
この流れの中で、価格も一緒に設計するハム。



あ~、なるほど・・・。



つまり、価格だけいじっても意味ないってことだよね?



その通りハム。
価格は「最後のピース」ハム。
そこだけ変えても、全体がズレてたら売れないハム。



・・・。



逆に言えば、
構造が合っていれば、適正価格でも売れるハム。



てきせい・・・かかく・・・。



でも、それってどうやって決めるの?



いいところに来たハムね。
それは次でちゃんとやるハム。
・値段を下げても売れないことは多い
・価格は「売れるかどうか」で決めるものではない
・重要なのは「価値が伝わっているか」
・価格は単体ではなく構造の中で決まる
・安さではなく「納得」で購入される
価格は調整項目ではなく、設計の一部。



結局、いくらにすればいいの?



その前に、やることがあるハム。。



え、まだあるの?



価格は最後に決まるものハム。
順番を間違えると、だいたいズレるハム。



・・・?



次回は、
売れる人が最初に作っている「たった一つのもの」を解体するハム。
補足:なぜ「値下げしても売れない」のか
― 価格認知と意思決定の構造 ―
ここからは少しだけ理論の話になりますが、「なぜ価格を下げても売れないのか」を正しく理解するために重要な部分です。
ハンドメイド販売で起きる価格の誤解
多くの作家は、売上が伸びないときに価格を原因と考えます。
しかし実際には、価格は単独で機能する要素ではなく、認知・理解・信頼といった前段階の影響を強く受けます。
つまり、価格そのものよりも、「価格がどう理解されているか」が重要になります。
人は価格そのものを評価していない
行動経済学の研究では、人は絶対的な価格ではなく、文脈の中で相対的に価値を判断することが示されています。
同じ金額であっても
・高く感じる場合
・安く感じる場合
が存在するのは、このためです。
この判断は、事前に得た情報や比較対象によって大きく変わります。
価格は「意味」とセットで認識される
さらに、価格は単独ではなく、意味やストーリーと結びついて認識されます。
・誰が作ったか
・どんな意図か
・どんな場面で使うか
これらが明確であるほど、価格は「理由のあるもの」として受け取られます。
逆に、情報が不足している場合、価格は単なる数字として扱われ、判断基準が弱くなります。
結果として、比較されやすくなり、選ばれにくくなります。
値下げが機能しない理由
この構造を踏まえると、値下げが効果を持たない理由は明確になります。
価格だけを下げても
・価値が理解されていない
・他と比較されている
・購入理由が弱い
この状態が変わらないため、意思決定には影響しません。
むしろ、安さによって価値の不明確さが強調される場合もあります。
価格は「最後に効く要素」である
購買行動は
認知
理解
信頼
価格判断
という順序で進みます。
この順序を無視して価格だけを調整しても、前段階が整っていなければ結果は変わりません。
価格は、あくまで最終判断の材料であり、単独で売上を作る要素ではありません。
結論:価格は構造の中で決まる
ここまでの内容をまとめると
・価格は単独では機能しない
・人は価格ではなく「意味」で判断する
・値下げは前提条件が整っていないと効果を持たない
つまり
問題は価格ではなく、価格の前にある理解と信頼の不足にあります。
この前提を整えた上で、はじめて適正な価格設計が成立します。
では、その価格はどの順番で決めるべきなのでしょうか。



次回は、「売れる人が最初に作っているたった一つのもの」を整理するハム。
Thaler, Richard H.(1985)
“Mental Accounting and Consumer Choice”
Marketing Science, 4(3), 199–214.
人は金銭を客観的にではなく、心理的な区分で評価するため、価格の感じ方が文脈に依存することを示した研究。
Monroe, Kent B.(1990)
“Pricing: Making Profitable Decisions”
McGraw-Hill.
価格は単なるコストではなく、知覚価値との関係で意思決定に影響することを体系化した研究。
Zeithaml, Valarie A.(1988)
“Consumer Perceptions of Price, Quality, and Value: A Means-End Model and Synthesis of Evidence”
Journal of Marketing, 52(3), 2–22.
消費者は価格そのものではなく、価格と品質・価値の関係で購買判断を行うことを示した研究。








