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「センスがないから売れない」はウソです!

要約

ハンドメイドが売れない原因は「センス」ではなく、「欲しい人とのズレ」にあることが多いです。

人は商品を見たとき、「自分に関係があるか」「自分に合っているか」を瞬時に判断します。
そのため、ターゲット・価格・使う場面が一致していないと選ばれにくくなります。

その結果、作品自体が悪くなくても売れない状態が起きます。

本記事では心理学やマーケティングの視点から、「センスがないから売れない」という思い込みを分解し、売上は才能ではなく“ズレの修正”で改善できることを解説します。

読了時間:約6分(ハム先生パート:約2分)

このシリーズは順番に読む前提で作っています(全10話)
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ハム先生

これは「売れない理由」シリーズの第6話ハム

なお

最初から読みたい人は第1話から見てね

目次

第6話

ハム先生

なお

ねえ、やっぱり私センスないのかな・・・。

ハム先生

なんでそう思ったハム?

なお

だって、売れないからさ・・・。
売れてる人ってなんか、センスが違う気がする。

たっくん

雑じゃない・・・?

なお

へ・・・?

たっくん

売れてない=センスない。
その考え方、かなり飛躍してない?

ハム先生

でも、それはよくある思い込みハム。
「売れていない理由」を全部センスで片づけると、そこで思考が止まるハム。

なお

でもさ・・・おしゃれな人は売れてるし・・・。

ハム先生

それは「相関」と「因果」の混同ハム。

なお

そうかん・・・インガ・・・??

たっくん

わかってない・・・。

なお

・・・。

ハム先生

飼い主(なお)・・・。

ハム先生

ようするに、売れている人にセンスがある可能性はあるハム。
でも、「センスがあるから売れている」とは限らないハム。

たっくん

センスあっても売れない人は山ほどいるだろうし・・・。

なお

本当ですか・・・?

ハム先生

本当ハム。
売れるかどうかは、「市場との一致」が大きいハム。。

なお

わからん・・・

ハム先生

飼い主・・・。

ハム先生

ようするに、「誰が欲しいか」に合っているかを見るハム。
売れている作家はここを合わせているハム。

誰に
何を
どの価格で
どういう意味で

なお

私は「自分の好きなもの」「自分が欲しいもの」をつくってます。

たっくん

作るのは「好きなもの」でいいんじゃないかな?

ハム先生

そうハム。
作るのは「好きなもの」でいいハム。
でも、売れるかどうかは別の話ハム。

なお

はい・・・?

ハム先生

売れる作家は「感情で作って、論理で合わせる」ハム。

なお

はい・・・?

ハム先生

だから、「市場」や「欲しい人」に合わせて調整するハム。

たっくん

ハムスターをイラつかせてる・・・。

なお

私は?

ハム先生

・・・。

たっくん

好きなものを作って終わり、になってるってことじゃない?

なお

・・・。

なお

・・・。

ハム先生

飼い主・・・やっとわかった・・・ハム?

たっくん

・・・。

ハム先生

ま~チョロ、「センスがない」は便利な言葉ハム。
それ以上考えなくて済むハム。

なお

・・・。

ハム先生

でもそれではズレに気づけないハム。

なお

ズレ・・・?

たっくん

自分が好きなものなのはいいけど、具体的にどんな人に向けてる?
自分が欲しいと思っても、相手がお金を出してまで欲しい理由はある?
この2つが曖昧だと、価格の納得感も生まれにくいよ。

だから・・・売り出し方がズレてるってことじゃない?

なお

確かに・・・

ハム先生

だから見るべきは「センス」じゃなくて、
欲しい人と合っているか」ハム。

なお

あー。

ハム先生

どんな人が欲しいと思うデザインか
どんな人が納得できる価格か
どんな人が使いたい場面に合っているか

ここがズレていないかを見るハム。

なお

なるほど。

ハム先生

そうハム。
ここがズレると、どれだけ良くても売れないハム。

ハム先生

そしてそのズレは「数字」で見えるハム。

なお

数字・・・?

ハム先生

そうハム。
「合っているかどうか」は感覚だけでは分からないハム。
だから数字で見るハム。

なお

どうやって?

ハム先生

例えば・・・。

・見られているのに買われない
  → 内容や価格がズレている可能性が高いハム。
・途中で離れられる
 → 説明や導線が分かりにくいハム。
・そもそも見られない
 → ターゲットや見せ方がズレているハム。

と、言う感じハム。

なお

へ~。

たっくん

ズレている場所が分かれば、直せるよね。

なお

確かに・・・。

ハム先生

だからやることはシンプルハム。
仮説を立てて、少し変えて、反応を見る。
それを繰り返すハム。

なお

なるほど・・・。

ハム先生

売れない理由の多くは
センスがない」のではなく
ズレたまま出していること」ハム。

今回のまとめ

・「売れていない=センスがない」は思考の飛躍である
・売れる本質は「欲しい人との一致」にある
・多くの人は「誰に向けているか」を具体化できていない
・デザイン・価格・使う場面がズレると選ばれにくくなる
・ズレたまま出していると、どれだけ良くても売れない
・ズレは感覚ではなく「数字」で把握できる
・売れていく人は「ズレを見つけて修正する」ことを繰り返している

売れない原因は才能不足ではなく、「欲しい人とのズレ」にある。

センスを疑う前に、まずは「誰に合っているか」を見直すことが重要。

次回予告
なお

じゃあ・・・いったい私は何を直せばいいんだ・・・?

ハム先生

考え方ハム。

なお

考え方・・・?

ハム先生

今のまま作り続けても、結果は変わらないハム。
次回は、作品数を増やす前に整えるべき「売れる土台」について話すハム。

補足:なぜ売上は「センス」ではなく「ズレ」で決まるのか

ハンドメイドが売れない理由は、センスや技術の問題ではなく、「欲しい人とのズレ」にあることが多い。

これは感覚ではなく、心理学・マーケティングの観点から説明できる。

人は「自分に関係あるもの」しか見ていない

人は商品を見たとき、まず最初に無意識で判断している。

自分に関係あるか
自分に合っているか

ここで「違う」と判断されると、その時点で離脱する。

このような判断は、Tversky & Kahneman(1974)のヒューリスティック理論で説明されている。

つまり、

誰向けか曖昧
自分向けだと感じられない
ターゲットがぼやけている

といった状態では、内容が良くても見られない。

これは「質が低い」のではなく、「最初の一致が起きていない」状態である。

選ばれるのは「良いもの」ではなく「自分に合うもの」

商品は、絶対評価ではなく相対評価で選ばれる。

特にハンドメイド市場では、

自分の好みに合うか
自分の生活に合うか
自分の価格感覚に合うか

という「個人との一致」が重要になる。

これは Byron Sharp(2010)のDistinctivenessの考え方とも重なるが、ここで重要なのは「差別化」そのものより、「相手に合っていると認識されること」である。

どれだけ優れていても、

欲しい人とズレている
使うイメージが合わない
価格の感覚が合わない

場合、その商品は選ばれない。

ズレは「数字」として現れる

ズレは感覚では気づきにくいが、行動にははっきり現れる。

例えば

・表示されているのにクリックされない →  ターゲットや見せ方がズレている
・クリックされるのに購入されない →  内容や価格がズレている
・途中で離脱される →  説明や導線がズレている

売れない理由は曖昧ではなく、「どこでズレているか」に分けて見られる。

問題は「センス」ではなく「調整していないこと」

心理学の帰属理論(Weiner, 1985)では、

才能のせいにする → 行動が止まる
改善可能な要因と捉える → 行動が生まれる

とされている。

「センスがない」という考え方は、

どこを直せばいいか分からない
改善の方向が見えない

という状態を作る。

一方で、「どこがズレているか」を見ると

直す場所が明確になる
改善の手順が作れる

つまり問題は能力ではなく、「ズレたまま直していないこと」である。

結論:「センスがないから売れない」という考えは、現実を単純化しすぎている。

実際に売上を左右するのは

・最初の一致(自分ごとかどうか)
・個人との適合(好み・価格・用途)
・ズレの可視化(数字)
・ズレの修正(調整)

である。

つまり、売れない原因の多くは「欲しい人とズレたまま出していること」にある。

では、このズレを直すためには、何から手をつけるべきか。

作品数を増やすことでも、感覚を磨くことでもない。

売れる作家は、「土台」から整えている。

ハム先生

次回は、作品数を増やす前に整えるべき「売れる土台」について解説するハム。

参考理論・文献

Tversky, Amos & Kahneman, Daniel(1974)
“Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases”
Science, 185(4157), 1124–1131.

人は情報を単純化して判断する(ヒューリスティック)ため、「自分に関係があるか」「理解しやすいか」が意思決定に強く影響することを示した研究。


Sharp, Byron(2010)
“How Brands Grow”
Oxford University Press.

人は「最も優れたもの」ではなく、「認識しやすく、自分に合っていると感じやすいもの」を選びやすいことを示した研究。


Weiner, Bernard(1985)
“An Attributional Theory of Achievement Motivation and Emotion”
Psychological Review, 92(4), 548–573.

失敗の原因をどこに帰属させるかによって、その後の行動や改善意欲が変わることを示した帰属理論。

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