ハンドメイドが売れない原因は「センス」ではなく、「欲しい人とのズレ」にあることが多いです。
人は商品を見たとき、「自分に関係があるか」「自分に合っているか」を瞬時に判断します。
そのため、ターゲット・価格・使う場面が一致していないと選ばれにくくなります。
その結果、作品自体が悪くなくても売れない状態が起きます。
本記事では心理学やマーケティングの視点から、「センスがないから売れない」という思い込みを分解し、売上は才能ではなく“ズレの修正”で改善できることを解説します。
読了時間:約6分(ハム先生パート:約2分)
ハム先生これは「売れない理由」シリーズの第6話ハム



最初から読みたい人は第1話から見てね


第6話
ハム先生



ねえ、やっぱり私センスないのかな・・・。



なんでそう思ったハム?



だって、売れないからさ・・・。
売れてる人ってなんか、センスが違う気がする。



雑じゃない・・・?



へ・・・?



売れてない=センスない。
その考え方、かなり飛躍してない?



でも、それはよくある思い込みハム。
「売れていない理由」を全部センスで片づけると、そこで思考が止まるハム。



でもさ・・・おしゃれな人は売れてるし・・・。



それは「相関」と「因果」の混同ハム。



そうかん・・・インガ・・・??



わかってない・・・。



・・・。



飼い主(なお)・・・。



ようするに、売れている人にセンスがある可能性はあるハム。
でも、「センスがあるから売れている」とは限らないハム。



センスあっても売れない人は山ほどいるだろうし・・・。



本当ですか・・・?



本当ハム。
売れるかどうかは、「市場との一致」が大きいハム。。



わからん・・・



飼い主・・・。



ようするに、「誰が欲しいか」に合っているかを見るハム。
売れている作家はここを合わせているハム。
✔ 誰に
✔ 何を
✔ どの価格で
✔ どういう意味で



私は「自分の好きなもの」「自分が欲しいもの」をつくってます。



作るのは「好きなもの」でいいんじゃないかな?



そうハム。
作るのは「好きなもの」でいいハム。
でも、売れるかどうかは別の話ハム。



はい・・・?



売れる作家は「感情で作って、論理で合わせる」ハム。



はい・・・?



だから、「市場」や「欲しい人」に合わせて調整するハム。



ハムスターをイラつかせてる・・・。



私は?



・・・。



好きなものを作って終わり、になってるってことじゃない?



・・・。



・・・。



飼い主・・・やっとわかった・・・ハム?



・・・。



ま~チョロ、「センスがない」は便利な言葉ハム。
それ以上考えなくて済むハム。



・・・。



でもそれではズレに気づけないハム。



ズレ・・・?



自分が好きなものなのはいいけど、具体的にどんな人に向けてる?
自分が欲しいと思っても、相手がお金を出してまで欲しい理由はある?
この2つが曖昧だと、価格の納得感も生まれにくいよ。
だから・・・売り出し方がズレてるってことじゃない?



確かに・・・



だから見るべきは「センス」じゃなくて、
「欲しい人と合っているか」ハム。



あー。



・どんな人が欲しいと思うデザインか
・どんな人が納得できる価格か
・どんな人が使いたい場面に合っているか
ここがズレていないかを見るハム。



なるほど。



そうハム。
ここがズレると、どれだけ良くても売れないハム。



そしてそのズレは「数字」で見えるハム。



数字・・・?



そうハム。
「合っているかどうか」は感覚だけでは分からないハム。
だから数字で見るハム。



どうやって?



例えば・・・。
・見られているのに買われない
→ 内容や価格がズレている可能性が高いハム。
・途中で離れられる
→ 説明や導線が分かりにくいハム。
・そもそも見られない
→ ターゲットや見せ方がズレているハム。
と、言う感じハム。



へ~。



ズレている場所が分かれば、直せるよね。



確かに・・・。



だからやることはシンプルハム。
仮説を立てて、少し変えて、反応を見る。
それを繰り返すハム。



なるほど・・・。



売れない理由の多くは
「センスがない」のではなく
「ズレたまま出していること」ハム。
・「売れていない=センスがない」は思考の飛躍である
・売れる本質は「欲しい人との一致」にある
・多くの人は「誰に向けているか」を具体化できていない
・デザイン・価格・使う場面がズレると選ばれにくくなる
・ズレたまま出していると、どれだけ良くても売れない
・ズレは感覚ではなく「数字」で把握できる
・売れていく人は「ズレを見つけて修正する」ことを繰り返している
売れない原因は才能不足ではなく、「欲しい人とのズレ」にある。
センスを疑う前に、まずは「誰に合っているか」を見直すことが重要。



じゃあ・・・いったい私は何を直せばいいんだ・・・?



考え方ハム。



考え方・・・?



今のまま作り続けても、結果は変わらないハム。
次回は、作品数を増やす前に整えるべき「売れる土台」について話すハム。
補足:なぜ売上は「センス」ではなく「ズレ」で決まるのか
ハンドメイドが売れない理由は、センスや技術の問題ではなく、「欲しい人とのズレ」にあることが多い。
これは感覚ではなく、心理学・マーケティングの観点から説明できる。
人は「自分に関係あるもの」しか見ていない
人は商品を見たとき、まず最初に無意識で判断している。
・自分に関係あるか
・自分に合っているか
ここで「違う」と判断されると、その時点で離脱する。
このような判断は、Tversky & Kahneman(1974)のヒューリスティック理論で説明されている。
つまり、
・誰向けか曖昧
・自分向けだと感じられない
・ターゲットがぼやけている
といった状態では、内容が良くても見られない。
これは「質が低い」のではなく、「最初の一致が起きていない」状態である。
選ばれるのは「良いもの」ではなく「自分に合うもの」
商品は、絶対評価ではなく相対評価で選ばれる。
特にハンドメイド市場では、
・自分の好みに合うか
・自分の生活に合うか
・自分の価格感覚に合うか
という「個人との一致」が重要になる。
これは Byron Sharp(2010)のDistinctivenessの考え方とも重なるが、ここで重要なのは「差別化」そのものより、「相手に合っていると認識されること」である。
どれだけ優れていても、
・欲しい人とズレている
・使うイメージが合わない
・価格の感覚が合わない
場合、その商品は選ばれない。
ズレは「数字」として現れる
ズレは感覚では気づきにくいが、行動にははっきり現れる。
例えば
・表示されているのにクリックされない → ターゲットや見せ方がズレている
・クリックされるのに購入されない → 内容や価格がズレている
・途中で離脱される → 説明や導線がズレている
売れない理由は曖昧ではなく、「どこでズレているか」に分けて見られる。
問題は「センス」ではなく「調整していないこと」
心理学の帰属理論(Weiner, 1985)では、
・才能のせいにする → 行動が止まる
・改善可能な要因と捉える → 行動が生まれる
とされている。
「センスがない」という考え方は、
・どこを直せばいいか分からない
・改善の方向が見えない
という状態を作る。
一方で、「どこがズレているか」を見ると
・直す場所が明確になる
・改善の手順が作れる
つまり問題は能力ではなく、「ズレたまま直していないこと」である。
結論:「センスがないから売れない」という考えは、現実を単純化しすぎている。
実際に売上を左右するのは
・最初の一致(自分ごとかどうか)
・個人との適合(好み・価格・用途)
・ズレの可視化(数字)
・ズレの修正(調整)
である。
つまり、売れない原因の多くは「欲しい人とズレたまま出していること」にある。
では、このズレを直すためには、何から手をつけるべきか。
作品数を増やすことでも、感覚を磨くことでもない。
売れる作家は、「土台」から整えている。



次回は、作品数を増やす前に整えるべき「売れる土台」について解説するハム。
Tversky, Amos & Kahneman, Daniel(1974)
“Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases”
Science, 185(4157), 1124–1131.
人は情報を単純化して判断する(ヒューリスティック)ため、「自分に関係があるか」「理解しやすいか」が意思決定に強く影響することを示した研究。
Sharp, Byron(2010)
“How Brands Grow”
Oxford University Press.
人は「最も優れたもの」ではなく、「認識しやすく、自分に合っていると感じやすいもの」を選びやすいことを示した研究。
Weiner, Bernard(1985)
“An Attributional Theory of Achievement Motivation and Emotion”
Psychological Review, 92(4), 548–573.
失敗の原因をどこに帰属させるかによって、その後の行動や改善意欲が変わることを示した帰属理論。








